2016年01月17日

【スタッフブログ】地域づくりに関するコラム⑦「海士町視察」

みなさん、こんにちは。センター長の壹岐です。地域づくりシリーズの7回目は、海士町視察についてです。

海士町へは七浦港からフェリーで約3時間、帰りは境港まで高速艇で約2時間、船酔いの薬を飲んで船酔いに備えしたが、幸いにも快適な船旅になりました。



まず、船を降りたらキンニャモニャセンター、ここは海士町の情報発信と交流の拠点施設隠岐汽船や内航船、バス・タクシーなどのターミナル機能の役割を持ち、観光協会や直売所などがあり、海士町のキャッチフレーズとも言える「ないものはない」のポスターがお出迎えしてくれました。

この「ないものはない」には、①無くてもよい ②大事なことはすべてここにあると言う意味が込められているそうです。



最初の視察は、隠岐國学習センターです。ここは、古民家をリノベーションして利用されているものです。壁を黒板に見立てて、何やら難しい数式が書いてあったり、ちょっとおしゃれな時計も特徴的でした。



前日のフォーラムでパネリストとして発表されていた豊田さんから説明していただきました。今までは「魅力的で持続可能が学校を作る」から「学校と地域を作る」という新魅力化構想をもとに「過疎」に対して「教育」ができることを推進されていらっしゃいました。
以前は島前高校は地元の人さえ入学させたくないような学校で、中学校から島の高校に進学するのは45%に過ぎなかったような状況だったそうです。
そのような中、外部からコーディネーターを町が雇用し、非常勤講師として働いてもらえるようにしたそうです。しかし、コーディネーター等、島外から来た若者はなかなか島民から受け入れられない場合も多かったので、首長、校長会、OB会等が一同に集まる会を作り、そこでオーソライズされるようにしてもらって動きやすくなったという、役場のフォローも見逃せない役割ではないかと思います。

また、この施設には、現在は全校生160人中1130人が通っており、地域が自立できる教育とは?ということをテーマに夢ゼミを実施し、1.対話の型を学ぶ 2.地域の課題を学ぶ 3.プロジェクト学習を行う と3年間で学ぶそうです。

 仕事がないから帰られないから、仕事をつくりに帰るという様な人材育成をすることが、結果的に地域をサポートし、地域の活性化につながっているのを感じます。





 その後は、高校生の寮、牡蠣養殖場、CAS凍結センター、海士御塩司所等町内を視察しました。その案内の途中では、人の土地でも牛や馬を放牧して良いとか、ある一定期間で一定の場所では、サザエ等海産物をとってもよい等おおらかなところも感じました。



 その後巡りの環の視察をしました。設立メンバーは3名だったそうですが、今ではIターン者10名のスタッフがいるそうです。十分とは言えないが食べるだけの給与をもらいながらなんとかやっている状況らしいですが、持続可能な未来に向けて行動する人づくりを行うのが巡りの環の目的ということでした。

 その後の懇親会で財務課長の吉本さんになぜ、こんなにIターンの人が多いのかを伺ったところ、漠然と田舎暮らしがしたいという人ではなく、役場の各課が欲しい人材を明確にして募集をしているとのこと。また何故このような素晴らしいキャリアを持った人が海士町にIターンで来るようにあったのかを尋ねると、笑いながら、「飲み座の席で、口説いて、酔っ払って理解力が弱っている時にうんと言わせているんですよ」と笑いながら答えていただきました。

 その後、町長に直接こんなことを質問しました。「なぜ、海士町には10年間で400人ものIターン者が来るんでしょうか」と。すると町長は「人ですよ」と一言。
 合併をしないと決めた時から、町長の本気度が課長を動かし、そして一般職員まで本気になり、それが島民を動かしたということが今の海士町を形作っているんではないでしょうか。そして時代を担う高校生からも、30歳になった海士町の町長になり、海士町を元気にしていきたいという生徒が育ってきています。


【追記】
この時の地創生フォーラムの様子が動画でアップされました!是非ともご覧下さい♪


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Posted by みやざきNPO・協働支援センター at 14:57Comments(0)スタッフブログ