2014年04月04日

『みやざきPVづくりインターンシップ 報告会&講演会』開催しました!

3月29日(土)に、『みやざきPVづくりインターンシップ 報告会&講演会』を開催しました!

『みやざきPV(プロモーションビデオ)づくりインターンシップ』とは、県内の3つの地域(五ヶ瀬・日南市油津・西都市銀鏡)を大学生が直接訪問し、取材から映像編集までを全て自分達の手で行い、3分間のPV(プロモーションビデオ)を創り上げる約1ヶ月間のインターンプログラムです。

MRT宮崎放送 報道制作局専任局長の紫安伸一さんを講師に迎えての講演からスタートしました。



紫安伸一さんは平成23年に日本民間放送連盟賞のラジオ教養番組部門で優秀賞に選ばれた「戦艦大和沖縄特攻作戦~護衛艦隊生存者の証~」 や、(http://www.j-ba.or.jp/category/awards/jba100938)宮崎駅、都城駅、吉都線の100周年を記念し鉄道映像をまとめたDVD「宮崎鉄道物語」(http://www.the-miyanichi.co.jp/horou/_4813.html)等をてがけられ、現在は「わけもんGT」やドキュメンタリー番組などの制作をされています。

紫安さんには「ローカルメディアの未来 ~地方放送局が地域のなかで果たす役割とは?~」と題し、お話を伺いました。


初めにMRTが制作している番組をご紹介して頂きました。紫安さんが手がけられている「わけモンGT」は今では視聴率20%を超えるなMRT制作の番組を代表する一つとなっています。
そして今年で開局60周年を迎えるMRTの歴史と放送局の仕事を紹介するDVDを見ながら紫安さんに解説していただきました。


■ローカル局の役割
30年くらい前までは「ローカル局の番組なんてあってもなくてもいいんだ」という風潮があったといいます。
しかし紫安さんはその頃に全国で一番早く30分の夕方のニュース番組を始められました。視聴率も25%を記録するなど確かにローカルニュースの需要というものはあったそうです。



MRTの自社制作番組「わけもん!GT」当初は「ローカル番組がゴールデンタイムに進出するなんて失敗する」という周りの声があったそうですが、取材先での地域の人々からの「いつも見てるよ」という温かい声と同時に、これまでの朝や夕方の番組の制作以上の認知度や手応えを感じ、モチベーションやスキルのアップに繋げていったそうです。
そんな中でローカル局の役割として、「地域活性化のために地方局はあり、価値ある情報を見つけ、際立たせ、放送し、視聴者に役立ててもらうことが重要」だと語る紫安さん。そしてそれを伝える記者やディレクターは情報のフィルターとして重要であり、好奇心と知識、謙虚さと積極性の両方が必要であるとも話されました。
また地域密着が行き過ぎて地域癒着になってしまわないように気をつけることも大事だと話されました。

そしてインターンシップに参加した大学生や若い世代に向けて、「若い時代にいろんな地域に行き、様々な価値観や情報に触れ、幅広いものの見方を学んで欲しい」と話されました。

最後に紫安さんが仰った「いい番組を作っていけば、ローカル局の番組でもみんな見てくれる」という言葉が印象的でした。



質問タイムでは
「報道人として働きたいと思ったきっかけは?」という参加者からの質問に紫安さんは
「東京のキー局でバイトをしている時に出来たアメリカのCNNに影響され報道の仕事をしたい思った。しかし報道志望で入ったが営業部に配属されました。それから10年間ぐらいは営業の仕事をやったが、腐らず自分の信念を持ち、食らいついて何とか報道の仕事に就けました」と答えられました。

普段慣れ親しんでいるローカル番組にも、的確に情報を伝えるための工夫や努力、そして地域を活性化したいという思いの元に制作されているんだということを学ばせて頂いた紫安さんの講演でした。


そしていよいよ「みやざきPVづくりインターンシップ」に参加した大学生たちが制作したPV(プロモーションビデオ)の上映会及び報告会が始まりました。


9人の大学生が映像づくりを一から学び、3チームが3つの地域(五ヶ瀬・日南市油津・西都市銀鏡)に分かれ、取材から映像編集までを全て自分達の手で行い、3分間のPVを制作しました。
PVの上映会(3分)と報告会(5分)という形でそれぞれ3チームに発表して頂きました。


トップバッターは日南市・油津チームです。


テーマ「油津再生物語はここから始まる」

(テーマ設定の理由)
・「油津商店街を良くしたい」と心のそこから思っている方々が日ごろ感じることを沢山の方々に知ってほしいため。
・商店街再生へ向けての動きを知ってほしいため
・油津再生物語はここ(商店街)から始まるものであると感じたため


商店街の人々のインタビューを中心に、油津再生に向けての思いとテナントミックスサポートマネージャーとして油津商店街の活性化に貢献している木藤亮太さんの活動への思い、そして最後に木藤さん自身の油津再生に向けての思いを伝える形のPVとなっていました。

(今回のプログラムに挑戦してみての感想)
「自分の聞きたいお話を、聞き出すには長い間映像を撮らないと聞き出せないんだということを改めて感じました。」
「商店街に住んでいるたくさんの人とお話することで、親近感を持ち油津のことが大好きになりました。これからも応援していきたいです。」
「たくさんの材料があっても、伝えたいことを形にできるのはほんの一握りで、ものづくりの大変さを知りました。」



紫安さんのコメント
「ナレーションやテロップで何をしている人達なのかを説明したほうが分かりやすい。地域の人達とは上手く溶け込んでいた。文字のフォントの選び方も良かった」
花堂監督のコメント
「インタビューの順番が分かりやすくなかった。木藤さんの思いや商店街の人との関係性が分かりづらかった。思いを伝えるための情報量がもっと欲しかった」


そして会場にお越し頂いた木藤さんは、
「本当に商店街に溶け込んで取材していて、僕が行っても聞けないような話しを聞けていたと感じました。商店街のお店でも流したりもしてみたい。3分間に絞っていくのは大変だったと思う。今度は是非とも15分バージョンも作って欲しいです。」
といったコメントをいただきました。


続いて、西都市・銀鏡チーム。


テーマ「神とともに生きる人々」

(テーマ設定の理由)
・「ここには何もないけれど、銀鏡神社と神楽がある」「私たちには伝統を伝えていくことしかできない」という言葉から
・銀鏡の存続を真剣に考える住民の姿を見たから
・住民の行政への願いを伝えたい


銀鏡の自然や伝統文化の映像と、銀鏡に住む子どもたちと銀鏡地区の区長 浜砂重忠さんの銀鏡に対する思いをインタビューを通して伝える形のPVとなっていました。

(今回のプログラムに挑戦してみての感想)
「自分が知らないだけで宮崎には楽しい地域がたくさんあると思った。いろんな地域に行ってみたい。」
「どのようにすれば上手く伝わるかを試行錯誤することがとても楽しかった」
「映像編集の大変さも感じたが、一つ一つ出来る様になり達成感があった」



紫安さんのコメント
「映像が情緒があって綺麗でした。シーンの繋げ方も良かった。神楽を写真で表現したのも逆に効果的だったと思う。重忠さんの肩書きを入れると良かった」
花堂監督のコメント
「自分が出会った「好き」っていうのが良く出てて見やすかった。情緒が出ていて良かった。音楽の使い方も情感的だった」


最後は、五ヶ瀬チームです。


テーマ「五ヶ瀬物語」

(テーマ設定の理由)
・五ヶ瀬の魅力を伝え安らぎの場へ誘いたい

仕事に疲れたサラリーマンが五ヶ瀬に行き、五ヶ瀬の自然や食べ物や人に出会い、癒されていくというドラマ仕立てのPVとなっていました。

(今回のプログラムに挑戦してみての感想)
「だんだんと五ヶ瀬の魅力に惹かれていった」
「映像作品を作る難しさを感じた」
「PVを見る人々に五ヶ瀬の魅力を伝え、興味をもっていただきたい」


紫安さんのコメント
「構成が凝っていて面白かった。映像も美しかった。文字は映像に被せていった方がいいと思った。」
花堂監督のコメント
「映像が好きだということが撮り方やカメラワークで伝わった。比重的に後半の人々の映像がもっとあった方が、伝えたいものが伝わると感じた」



総評
紫安さんのコメント
みんな初めて行く所で、いろいろ感じたことを映像にしていて良かった。まだまだ宮崎には良い所があるので是非とも足を運んでほしいです。

花堂監督のコメント
かなりの短期での制作でしたが、良くここまで辿り着いたなと感じた。この体験を通して、地域と向き合った感覚や夢中になれたことを自分たちの中に活かしてほしい。もう少し映像にも手を加えたら更に良くなると思うので、今日の皆さんからの感想も受け止めてまた作っていって欲しい


3チームそれぞれの色があって、どのチームも地域と向き合い、地域の魅力やそこにいる人々の思いが伝わってくるPVだったなと感じました。
今回制作したPVはHPでの配信や宮崎キネマ館での上映を予定しております。そちらもお楽しみにして下さい。


参加者からは、
「ローカルメディアの現場がわかってよかったです。「わけもん」はゴールデンタイムに流れることで、家族が見る機会が増えました。とても楽しみに見ています、ありがとうございました。」
「テレビやラジオを通じた地域活性化、地域への想いが伝わりました。また、報道の仕事に就くことをあきらめなかったということを聴き、私も自分の夢などをかなえるためにはあきらめず頑張ることが必要であると教えられました。これからも地域に根ざした番組を制作してください。」
「作品は短期間でと考えたら本当にすばらしいものでした。できればこれで終わらず、うまく続けて先生方のアドバイスを参考にされて、良い作品に仕上げてください。学生だからこそ気付いたこと、聞き出せたことがきっとあるはず。

「大学生の皆さんが地域に入り、地域と向き合ったからこそ、皆さんの感じた地域の魅力が伝わってきたと感じています。音や映像にもこだわって、良かったです。」
「未来を担う学生が大切にしたいものが、今回のPVでわかりました。見ていて楽しかったです。」

といったご意見・ご感想をいただきました。


映像と地域づくりでは一見遠いような存在ですが、今回の紫安さんのローカル局の役割についての講演や学生たちが制作したPVを観て、地域と向き合い、地域の魅力や思いを伝える方法として、この二つを掛け合わせればとても効果的なものになるということを強く感じました。


講師の紫安さん、花堂監督、みやざきPVづくりインターンシップに参加した大学生、そして報告会&講演会に参加していただいた皆様ありがとうございました!   

Posted by みやざきNPO・協働支援センター at 15:05Comments(0)イベント報告