2017年04月16日
ヒムカレッジvol.4 『限界集落を蘇らせたスーパー公務員は、なぜローマ法王にお米を贈ったのか?』開催しました!
3月24日(金)に、氷見市地方創生アドバイザー、日蓮宗 本證山 妙法寺 第四十一世住職の高野 誠鮮さんをお招きし、ヒムカレッジvol.4『限界集落を蘇らせたスーパー公務員は、なぜローマ法王にお米を贈ったのか?』を開催いたしました!

□講師紹介
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高野 誠鮮(たかの じょうせん) 氏
氷見市地方創生アドバイザー、日蓮宗 本證山 妙法寺 第四十一世住職
1955年 石川県羽咋市太田町生まれ。元地方公務員(羽咋市文化財室長 室長H28.3定年退職)
(経歴)
大学在学中から科学雑誌ライターとなり、テレビ番組の構成をてがける。実家の寺院を継ぐために能登半島に帰省し住職となる。
昭和59年4月~羽咋市勤務(臨時職員) 平成3年、任用委員会で吏員採用。
昭和59年「UFOでまちづくり」を羽咋市で勝手に開始
平成13年2月2日付 毎日新聞コラムで「スーパー公務員」と立川志の輔師匠が紹介。
平成14年「Time誌」で活動が特集される。宇宙とUFO国際会議の開催や公立宇宙科学博物館の建設にこぎつける。青年活動から地域社会活動に展開した。(神子原の取り組みが2005年毎日・地方自治大賞特別賞受賞となる。
平成20年6月25日、増田総務大臣委嘱による総務省地域創造アドバイザーとなる。
(主著等)
各種科学雑誌をはじめ、『ローマ法王に米を食べさせた男』(講談社)、『頭を下げない仕事術』(宝島社)、『日本農業再生論』(講談社)等。
(職歴・役職等)
フリーランス・科学ジャーナリスト (ペンネーム「飛島竜一」Ryuichi Tobishima)
NTV(日本テレビ) 11PM 第11弾~16弾 (水曜班11PM 企画・番組構成作家等)
平成27年TBS系列 連続ドラマ「ナポレオンの村」(主演 唐沢寿明 原案「ローマ法王に米を食べさせた男」)
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今回はみやざきアートセンター4Fアートスペース1を会場に、何と100名以上の方々にご参加頂きました!
限界集落を蘇らせ、地元のお米「神子原米(みこはらまい)」をローマ法王に食べてもらい、米のブランド化を成功させるなど、様々なまちづくりを行ってきた伝説のスーパー公務員、高野誠鮮さんをお迎えし、ご講演頂きました!
石川県羽咋市の神子原地区。昭和40年の初頭には1000人が暮らしていたといいますが、平成17年には500人以下になっていました。
そんな集落にある実家の寺院に後継ぎのために帰ってきた高野さんは、僧侶だけでは食べていけないと感じ、羽咋市役所の臨時職員としても働くようになり、高野さんの限界集落でのまちづくりが始まりました。

〇思考の方向性

高野さんはまちづくりを行う上での思考の方向性として、次の5つのポイントを上げれました。
・できない理由を考えない。
・条件を外に出さない。
・原因をリサーチする。(中途半端は言い訳)
本当に調べたのかソースにたどり着いたのか?
・Proactive Coping・・・ゴールに近づくための積極的で前向きな対処法を実施してみる。
・駄目もとで、とにかくやってみる。
〇課題をつきつけられどうするか?

また課題を突き付けられた時の考え方については以下のポイントを上げられました。
・改善できる可能性を模索(できない理由を挙げない)
・現状、状況を構造的に見る(直線的に考えない)
・根本的な原因に対して対応する(表面的な対策をしない)
(例:大会・委員会・会議開催だけで終わる)
・従来のルールを無視してみる(何故?従前の方法で解決できた?)
・構成する基本単位で考えて見る(例:集落-人)
・活性化ドラマとして考えてストーリーを考えてみる
・自分以外を「条件」にしない(例:予算・住民・上司)
・立場を変えて考えてみる(例:医者・プロデューサー他)
・全て関係していると考える(地球規模で考える)
〇なくてはならない公務員

「公務員には3種類しかいません。いてもいなくても良い公務員。いては困る公務員。なくてはならない公務員。」そう話す高野さん。
疲弊した集落には「なくてはならない職員」が必要であり、その「なくてはならない職員」には深い経験と深い知識が必要だということです。
「失敗した数だけ職員を褒めるような制度を作ってくださいよ」
当時、高野さんはそんな言葉を上司に言ったことがあるといいます。
失敗をしても周りがしっかりとバックアップするような環境や上司がいることこそが、「なくてはならない公務員」を増やすためには必要であり、自分自身も地域にとってなくてはならい存在になろうと意識しながらこれまでの活動を続けてきたということでした。
〇3つの基本戦略
高野さんのこれまでのまちづくり活動はしっかりとした戦略のもと実施してきたと高野さんは話されます。特に以下の4つの戦略を元に活動してきたということでした。
・多くの人を動かす「メディア戦略」(集団的意識)
・(購買意欲をかきたてる「ブランド化戦略」
・多くの人が訪ねる「交流戦略」
・(オーナー制度、直売所、農家レストランなど)
〇治療方法とやる気

これまでまちづくりを行う中で様々な課題と向き合ってきた高野さん。その課題の解決策として、「ここまで役所がするのか!」というやる気療法を行うということでした。
そして具体的には農業産物の流通形態を直売に(希望小売価格を生産者が設定する)するなどの根本治療を行ったり、空き家対策には「空き農家・農地情報バンク」、高齢化対策には若者の移住政策などを行い、下記の成果につながっていたということでした。
①高齢化率の改善54%⇒47.5%(平成21年)
②所得の向上 月額30万円超の農家
③年間8000万円超が集落に
④UIJターン現象(8名Uターン、若者移住)
⑤農家カフェの誕生(30代のUIJターン)
⑥夏と冬に大学生が集落合宿
⑦12家族35名が他県から移住




「地域にあるのもすべてを活かす。否定ではなく、活かす。」
講演の中での高野さんの言葉です。
まちづくりを行う時や地域と向き合う時に、何かとその地域の問題や課題にばかり、目が行きがちです。
もちろん課題や問題点を把握することも必要なことですが、それ以上に地域の良い所、魅力になり地域に活かせることを考えていくことこそが重要だと高野さんのお話から強く感じました。
そして、実は自分たちが課題や問題だと思っていたことが、地域の魅力につながることもあり、高野さんの言葉の通り「否定するのではなく、活かす。」ことこそが、
まちづくりには大切なことなのだと感じた今回のヒムカレッジでした。
ご参加頂いた皆様からは、
「今後の自身の考え方、生き方の参考になった。」
「本気で地域と向き合っているというのが凄く伝わってきて、やはり何をやるにも覚悟が必要だなと感じた。」
「自分が正しいと思ったことは、どのような批判や反対があってもやりぬくという気概は感銘しました。私も普段の生活で実践していきたいと思います。」
「以前高野さんの話を聞いて勇気付けられた。一度話を聞いてみてはと言われて今回参加しました。村人が自立・持続していけるプロデュースが大切だと感じました。」
といったご感想をいただきました。
参加していただいた皆様、講師の高野さん、本当にありがとうございました!

□講師紹介
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高野 誠鮮(たかの じょうせん) 氏
氷見市地方創生アドバイザー、日蓮宗 本證山 妙法寺 第四十一世住職
1955年 石川県羽咋市太田町生まれ。元地方公務員(羽咋市文化財室長 室長H28.3定年退職)
(経歴)
大学在学中から科学雑誌ライターとなり、テレビ番組の構成をてがける。実家の寺院を継ぐために能登半島に帰省し住職となる。
昭和59年4月~羽咋市勤務(臨時職員) 平成3年、任用委員会で吏員採用。
昭和59年「UFOでまちづくり」を羽咋市で勝手に開始
平成13年2月2日付 毎日新聞コラムで「スーパー公務員」と立川志の輔師匠が紹介。
平成14年「Time誌」で活動が特集される。宇宙とUFO国際会議の開催や公立宇宙科学博物館の建設にこぎつける。青年活動から地域社会活動に展開した。(神子原の取り組みが2005年毎日・地方自治大賞特別賞受賞となる。
平成20年6月25日、増田総務大臣委嘱による総務省地域創造アドバイザーとなる。
(主著等)
各種科学雑誌をはじめ、『ローマ法王に米を食べさせた男』(講談社)、『頭を下げない仕事術』(宝島社)、『日本農業再生論』(講談社)等。
(職歴・役職等)
フリーランス・科学ジャーナリスト (ペンネーム「飛島竜一」Ryuichi Tobishima)
NTV(日本テレビ) 11PM 第11弾~16弾 (水曜班11PM 企画・番組構成作家等)
平成27年TBS系列 連続ドラマ「ナポレオンの村」(主演 唐沢寿明 原案「ローマ法王に米を食べさせた男」)
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今回はみやざきアートセンター4Fアートスペース1を会場に、何と100名以上の方々にご参加頂きました!
限界集落を蘇らせ、地元のお米「神子原米(みこはらまい)」をローマ法王に食べてもらい、米のブランド化を成功させるなど、様々なまちづくりを行ってきた伝説のスーパー公務員、高野誠鮮さんをお迎えし、ご講演頂きました!
石川県羽咋市の神子原地区。昭和40年の初頭には1000人が暮らしていたといいますが、平成17年には500人以下になっていました。
そんな集落にある実家の寺院に後継ぎのために帰ってきた高野さんは、僧侶だけでは食べていけないと感じ、羽咋市役所の臨時職員としても働くようになり、高野さんの限界集落でのまちづくりが始まりました。

〇思考の方向性

高野さんはまちづくりを行う上での思考の方向性として、次の5つのポイントを上げれました。
・できない理由を考えない。
・条件を外に出さない。
・原因をリサーチする。(中途半端は言い訳)
本当に調べたのかソースにたどり着いたのか?
・Proactive Coping・・・ゴールに近づくための積極的で前向きな対処法を実施してみる。
・駄目もとで、とにかくやってみる。
〇課題をつきつけられどうするか?

また課題を突き付けられた時の考え方については以下のポイントを上げられました。
・改善できる可能性を模索(できない理由を挙げない)
・現状、状況を構造的に見る(直線的に考えない)
・根本的な原因に対して対応する(表面的な対策をしない)
(例:大会・委員会・会議開催だけで終わる)
・従来のルールを無視してみる(何故?従前の方法で解決できた?)
・構成する基本単位で考えて見る(例:集落-人)
・活性化ドラマとして考えてストーリーを考えてみる
・自分以外を「条件」にしない(例:予算・住民・上司)
・立場を変えて考えてみる(例:医者・プロデューサー他)
・全て関係していると考える(地球規模で考える)
〇なくてはならない公務員

「公務員には3種類しかいません。いてもいなくても良い公務員。いては困る公務員。なくてはならない公務員。」そう話す高野さん。
疲弊した集落には「なくてはならない職員」が必要であり、その「なくてはならない職員」には深い経験と深い知識が必要だということです。
「失敗した数だけ職員を褒めるような制度を作ってくださいよ」
当時、高野さんはそんな言葉を上司に言ったことがあるといいます。
失敗をしても周りがしっかりとバックアップするような環境や上司がいることこそが、「なくてはならない公務員」を増やすためには必要であり、自分自身も地域にとってなくてはならい存在になろうと意識しながらこれまでの活動を続けてきたということでした。
〇3つの基本戦略
高野さんのこれまでのまちづくり活動はしっかりとした戦略のもと実施してきたと高野さんは話されます。特に以下の4つの戦略を元に活動してきたということでした。
・多くの人を動かす「メディア戦略」(集団的意識)
・(購買意欲をかきたてる「ブランド化戦略」
・多くの人が訪ねる「交流戦略」
・(オーナー制度、直売所、農家レストランなど)
〇治療方法とやる気

これまでまちづくりを行う中で様々な課題と向き合ってきた高野さん。その課題の解決策として、「ここまで役所がするのか!」というやる気療法を行うということでした。
そして具体的には農業産物の流通形態を直売に(希望小売価格を生産者が設定する)するなどの根本治療を行ったり、空き家対策には「空き農家・農地情報バンク」、高齢化対策には若者の移住政策などを行い、下記の成果につながっていたということでした。
①高齢化率の改善54%⇒47.5%(平成21年)
②所得の向上 月額30万円超の農家
③年間8000万円超が集落に
④UIJターン現象(8名Uターン、若者移住)
⑤農家カフェの誕生(30代のUIJターン)
⑥夏と冬に大学生が集落合宿
⑦12家族35名が他県から移住




「地域にあるのもすべてを活かす。否定ではなく、活かす。」
講演の中での高野さんの言葉です。
まちづくりを行う時や地域と向き合う時に、何かとその地域の問題や課題にばかり、目が行きがちです。
もちろん課題や問題点を把握することも必要なことですが、それ以上に地域の良い所、魅力になり地域に活かせることを考えていくことこそが重要だと高野さんのお話から強く感じました。
そして、実は自分たちが課題や問題だと思っていたことが、地域の魅力につながることもあり、高野さんの言葉の通り「否定するのではなく、活かす。」ことこそが、
まちづくりには大切なことなのだと感じた今回のヒムカレッジでした。
ご参加頂いた皆様からは、
「今後の自身の考え方、生き方の参考になった。」
「本気で地域と向き合っているというのが凄く伝わってきて、やはり何をやるにも覚悟が必要だなと感じた。」
「自分が正しいと思ったことは、どのような批判や反対があってもやりぬくという気概は感銘しました。私も普段の生活で実践していきたいと思います。」
「以前高野さんの話を聞いて勇気付けられた。一度話を聞いてみてはと言われて今回参加しました。村人が自立・持続していけるプロデュースが大切だと感じました。」
といったご感想をいただきました。
参加していただいた皆様、講師の高野さん、本当にありがとうございました!
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Posted by みやざきNPO・協働支援センター at 19:09│Comments(0)
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